第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(16)

 第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(16)

蛇形掌式は白蛇吐信にある絡みつくような腕の動きにその特徴を認められる。これは形意拳の十二形拳の蛇形拳とほぼ同様の動きになっている。ただ八卦掌では転身の歩法が加わる。十二形は「暗」で練らなければならない。しかし形意拳では往々にして十二形も「明」で練ってその威力を示そうとする人が居る。それでは形意拳の本来の味わいが出て来ない。十二形の「暗」の身法を練るにも龍形八卦は適している。大鵬展翅(順勢掌式)は転身する勢いを使って蹴りや突きを行う。大鵬展翅では両腕を大きく」広げて円周上を歩く。これはあたかも大鵬が大きく翅(つばさ)を広げて滑空しているように見えるが、こうして円周上を歩いている内に両腕で作った円の流れに歩法の勢いを乗せて行く。そうして転身の時に一気に縦の円へと変換をして擺却から劈掌へと展開をする。このように順勢掌式(大鵬展翅)では足や腕で特にアクションを起こすのではなく転身の動きをそのまま、つまり「勢」いに「順」じてその力を足や手に及ぼすのである。

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