道竅談 李涵虚(151)第十七章 神、気、精を論ずる

 道竅談 李涵虚(151)第十七章 神、気、精を論ずる

〈本文〉

「心印経」には「上薬には三品ある。神と気、精である。これは修丹の妙物で、そこで最も重要なのは元神、元気と元精であり、真精、真気と真神である」と記されている。ここでの「元」とは何であろうか。それは「先天」である。「真」とは何であろうか。これも「先天」である。先天の「元」とは生まれる前に生じているということであり、「童子の天元」とは童子は生まれる前のもの(先天)を失うことなく有しているということである。先天の「真」とは大道を成すもので、我々の人元においてそれが実践される。「(先)天」を得ることなく修行をしたならば、それは必ず人元に留まるものとなるであろう。

〈補注〉神仙道の修行で最も基本となるのは「精、気、神」である。そして、一般に修行で用いられているのは後天の「精、気、神」とされるが、それには先天の「精、気、神」があるとする。また先天の「精、気、神」には「元」と「真」がある。西派では「元」と「真」を別なレベルとするが、多くの流派では「元」がつまりは「真」であると教えている。つまり後天の「精、気、神」は不完全なものであり、先天の「元精、元気、元神」は完全なものなのでこれを「真精、真気、真神」であるとするわけで西派のように「元」と「真」をあえて区別することはしない。また、ここでは「童子の天元」が取り上げられている(「天元」については次に詳しく述べられる)が、要するにこれは「天地の造化」のことでもある。生成の働きの根本(先天の生成の働き)をいっているのである。

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