道竅談 李涵虚(147)第十七章 神、気、精を論ずる
道竅談 李涵虚(147)第十七章 神、気、精を論ずる
〈要点〉
「神」とは思考のことであり、「気」は感情、「精」は肉体(物質)をいう。我々の思考も感情も肉体も不完全である。なかなか正しい思考をすることは難しいし、平穏なる感情を保つことも困難である。また肉体も注意を怠ると機能不全(病気)が発生してしまう。「そうであるのが人である」と考えればそれまでとなるが、より正しい思考、あるべき感情や肉体の状態を得ることができるのではないかという気持ちを持つところから修行は始まることになる。そこで神仙道では本来の思考である「元神」、本来の感情である「元気」そして本来の肉体である「元精」はあるべき状態に存していると考える。そうであるからそれを回復させれば良いのであり、それが神仙道の修行となる。これは太極拳などでも同様で、新しいものを得るのではなく、本来の状態に復するための修行と考える。