第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(14)

 第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(14)

八卦拳の秘伝ともいうべき「掌式」に関しては単換掌式のほかに双換掌式について触れたが、ほかには蛇形掌式がある。これは龍形八卦では白蛇吐信として套路に編まれている。また回身掌式は黄龍反身であり、順勢掌式は大鵬展翅となっている。また抱掌式は白猿献桃、合掌式は獅子繍球、扣掌式が八仙過海となっている。八卦拳の奥義は纏綿掌である。これは螺旋の動きである「纏」と、粘りつくような動きである「綿」に特徴を持っている。陳家太極拳の螺旋の動きは「纏」絲勁と称され、太極拳は「綿」拳といわれることがある。これらの特徴を合わせ持つのが八卦掌(八卦拳)なのである。纏綿掌は八掌式の全てにそれを含んでいるのであり、八掌式は纏綿掌を練るためのものとすることができる。この纏綿掌を最も端的に示しているのが扣掌式(八仙過海)である。

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