第九十六話 絶招研究・形意拳篇(3)

 第九十六話 絶招研究・形意拳篇(3)

さて形意拳篇で「絶招」として取り上げようとするのは半歩崩拳である。半歩崩拳は一般的には形意拳のシステムにおける絶招とは見なされてはいない。半歩崩拳は郭雲深の絶招であり「あまねく天下を打つ」と賞された。中国各地を巡ってただ半歩崩拳をして無敵であったというのである。相手は郭雲深が半歩崩拳を使うことを知っていてもそれを防ぐことができなかったとされている。崩拳は単純な中段突きである。ただ中段突きは競技試合などでは最も有効な技法とされる。顔面など上段はうまく決まれば有効であるが、なかなか適切に攻撃部位をとらえることが難しい。上段への攻撃は対象となる部位も小さいので避けられてしまうことが多くなってしまう。一方、中段への攻撃は胴体への攻撃であるから対象部位はかなり広くなる。しかし、手が最も効率的に働く範囲でもあるので防御を受けて攻撃が失敗してしまう可能性も大きくなる。

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