第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(7)
第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(7)
適切に相手の反応を得るように鍛錬をするのが「筋」の練習である。そして「化」では「髄」(意識)を使うことになる。「化」のレベルでは意識の死角ともいうべきものを使うわけである。これは太極拳では凌空勁などと称する。相手に直接に触れることがなく、その反応を導き出すことができるためである。日本ではこれを「呼吸」「間合い」などと称する。合気道の呼吸投げはその優れた鍛錬法といえよう。八卦掌や太極拳、形意拳などでも「呼吸」の鍛錬をするが実感としては呼吸投げのように相手を投げてしまうまで一連の動作を行うと呼吸と動きの関連がよく見えてくるように思われる。中国武術では相手が崩れた時点で止めてしまうので、なかなか呼吸と動きの関係が分かりにくい。相手を投げるところまで動作を続ければ息を吸って吐き切るところまで行く。これが呼吸の鍛錬として分かりやすい部分でもある。