第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(3)

 第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(3)

八掌式で換掌に属するのは単換掌式と双換掌式だけであり、これが両儀と四象であることは既に述べた。そうであるから八掌式で単換、双換に続く蛇形掌式や合掌式などはすべて八卦の表現ということになる。よく言われる千変万化の動きの特徴を有するものとすることができるわけである。八掌式の残りの六つの掌式が八卦に相当するのであれば、八つの動きが示されなければならないと考えるかもしれないが、八卦はあくまで変化の象徴であるので「兌卦がこれ」「震卦がこれ」というように固定してしまうと本来的な変化の意義が失われることになる。また乾卦、坤卦は純陽、純陰でこれは変化の根幹にあるもの、つまり先天に属するものとして残りの六つの卦が後天の変化を示していると解することも可能であろう。これらは八卦拳における八卦「掌」の系統のシステムに属するものであるが、八卦拳にはもう一つの大きなシステムである八卦「拳」の系統がある。それに属する套路には両儀之術、四象拳、八掌拳(八卦掌)がある。

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