第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(2)

 第九十七話 絶招研究・八卦掌篇(2)

単換とは変化が一度しかないものをいう。これは前後(あるいは左右ということもできる)の変化である。それにより走圏で左転をしていれば単換掌を経て右転へと移行することが可能となる。これに対して双換掌式は二度の変化を有している。単換掌の左右(あるいは前後)に加えてもう一度、変化が加わることになる。もう一つの変化とはは上下の変化である。これは単換掌が陰と陽の「両儀」の変化であるのに対して、双換掌が陰陽と陰から陽、陽から陰の「四象」の変化となるからである。つまり左右の変化をつなぐものとして下から上、上から下への動きが加えられることになっている。ちなみに八卦拳では双換掌がないといったが実質的には変換式である下穿掌、側掌、換掌四式が双換掌式の動きとして示されている。下穿掌は上下の動きを最も端的に示すものであり、それを丸い動きで表現しようとすると側掌になる。一方の換掌四式は四つ動作からなるやや複雑なものであり、劉雲樵はこれを小開門としてひとつの独立した套路のようにして教えていた。八卦拳では換掌四式を双換掌式の最も完璧な套路とする見方もある。

このブログの人気の投稿

道徳武芸研究 八卦拳の変化と蟷螂拳の分身八肘(8)

道徳武芸研究 改めての「合気」と「発勁」(6)

道徳武芸研究 八卦拳から合気道を考える〜単双換掌と表裏〜(4)