第九十六話 絶招研究・形意拳篇(12)
第九十六話 絶招研究・形意拳篇(12)
ひるがえって半歩崩拳であるが、これは従来の順歩と後のヨウ歩の中間にあるものである。それはまた順歩、ヨウ歩のいづれにも変化をし得るものであるとすることが可能である。そうしたところに半歩崩拳の絶招としての可能性があったのであろう。そしてそれは形意拳に八卦掌やさらには太極拳が取り入れられるようになり太極拳の抽絲勁をも含むヨウ歩崩拳として発展をして行った。この時点で半歩崩拳はヨウ歩崩拳の中へと解消的な統合をされてしまうことになる。ヨウ歩崩拳において触れれば即ち力を発することが可能となり、その力の統合の方向性(順歩)も、短い時間(半歩)での攻撃も考慮する必要がなくなったのである。結果としてのヨウ歩を重視しても良いが、順歩、ヨウ歩を共に含むものとして半歩を練るのも味わいの深いことであろう。