第九十六話 絶招研究・形意拳篇(8)
第九十六話 絶招研究・形意拳篇(8)
ヨウ歩の崩拳は太極拳の進歩搬ラン捶そのものである。楊家ではあまり明確ではないが呉家では両足のラインが強調される。形意拳でも足のラインは強調されるがそれは一般的には前足のラインが主となる。そのために半身をとるわけである。一方、ヨウ歩では前足と反対の後足のラインが用いられる。後足のラインを用いるために呉家では両足を平行にして、後足も前への勢いを生むことができるようにしている。呉家の進歩搬ラン捶は勢いとしてはヨウ歩の崩拳そのものである。また形意拳ではヨウ歩の攻撃を連続して行うために崩拳では一旦、体の中間まで拳を移動させてから突いている。そうであるから突きは真っすぐではなく斜めに突き出されることになる。こうした突きは攻撃法としては一般的ではない。崩拳や半歩崩拳のように真っすぐ突く方が合理的であろう。