第九十六話 絶招研究・形意拳篇(6)

 第九十六話 絶招研究・形意拳篇(6)

形意拳は半身(子午トウ 右足が前であれば右手が前になる)を構えの基本とするがヨウ歩の崩拳ではその姿勢が崩れてしまう。それは逆突き(ヨウ歩)であると相手と向き合うような態勢となるからである。このような態勢を取るのは太極拳の特徴でもあり、推手などでは完全に向き合う形で練習をする。こうした方法をとるのは前後左右に自在に変化をするためである。半身であれば変化は限られたものとなる。しかし、一方で自分の体の全体を相手にさらすことはそれだけ攻撃の部位を広くすることで不利にはなる(単純にいえば半身の倍の危険を持つことになる)。太極拳ではその変化五歩(中、前、後、右転、左転)をして示している。ただ立っている状態である「中」は前、後、右転、左転への変化が未発である状態であり、「前、後、右転、左転」への変化は中が既発となった状態とする。これに対して半身の形意拳は「前」のみの変化となる。形意拳では歩法を変化させないことで一気に相手を制圧しようとする。こうした方法を「硬打」という。

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