第九十五話 立禅と馬歩トウ功(19)

第九十五話 立禅と馬歩トウ功(19)

意拳で最も重要とする「混元式」であるが、王キョウ斎の弟子の李見宇は肩幅に足を開いて両掌を腹部で向き合わせる形としている。また娘の王玉芳は半身で腹部で両掌を向かい合わせる姿勢を示している。これは李が馬歩、王が半身であるところに違いが見られるが掌の位置などは等しい。もちろん「混元」式には一定の形がないのであるから、どちらが間違っているということではない。王キョウ斎の示す形は足幅も狭く踵の幅が20センチほどしか離れていないようであり、これはまさに「ただ立っている」だけである。李見宇も王玉芳も共に「ただ立っている」だけに耐えられなくなって何らかの武術的な練法を加えたのであろう(王キョウ斎自身がある程度の妥協をして武術的な力を求める弟子の要求に答えた部分があったのかもしれない)。

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