道竅談 李涵虚(133)第十六章 先天とは何か
道竅談 李涵虚(133)第十六章 先天とは何か
〈要点〉
先天は「虚」であり、後天は「実」である。また先天は「真」であり、後天は「仮」であるとされる。つまり先天は「真」ではあるが、「虚」の世界なのである。「虚」は「実」がなければ存在することができない。神仙道では後天は先天から生じたとするが、実は先天は後天がなければ存在することができない。先天のみでは存することのできないのである。後天には精、気、神がある。先天にもそれらは同様にある。しかし先天の精、気、神は真精、真気、真神と称される。この「真」とあるのは永遠、不変であるということである。後天の精、気、神はそれぞれが融合したり、消費されたりして変化をする。しかし、先天ではそうしたことは起こらない。先天は乾坤を軸とし、後天は坎離が軸となる。こうした考え方は「易」が乾卦(純陽 乾と乾)と坤卦(純陰 坤と坤)に始まり既済(離と坎)、未済(坎と離)で終わっているところにも見ることができる。