第九十五話 立禅と馬歩トウ功(18)

第九十五話 立禅と馬歩トウ功(18)

ちなみに八卦拳でも太極拳でも先天後天の合一という考え方はしない。八卦拳では套路はあくまで後天(八卦)で表現されるものとする。形意拳で殊更に「先天」をいうのは、形意拳が本来、混元式や三才式から生まれたものであるからである。これらは武術というより導引というべきものである。想像するに大東流の「御式内」も合気道でいう「呼吸法」(坐っての合気上げ)ではなかったかと思う。これも武術といえば武術とも考えられるが、これだけで攻防が行えるわけではない。ただこうした稽古を通して相手の心身の動きを微細に知ることができる。相手の心身の動きを微細に知るには先ずは自分の心身の動きを微細に知っておかなければならない。このように「御式内」は自己の修養としてもこれを練ることが可能なのである。これは混元式や三才式も同じである。

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