道竅談 李涵虚(107)第十二章 薬のレベル
道竅談 李涵虚(107)第十二章 薬のレベル
〈本文〉
薬には三つのレベルがある。初めは「無から有を出す」ものである。次は「有から無に入る」ものである。最後は「無から有を産む」ものである。無から生まれる有とは後天の鉛火である。外に生じたことが(熱として)分かるものであるが、形は無いし、質も無い。形も質も無いが、ここに金気が初めて生ずることになる。
〈補注〉金気が生まれるのは「土は金を生む」による。この「土」は先天後天の合一した状態、性と命の調和した状態である。こうした状態を老子は「嬰児」として表現している。こうした「土」は成長してからは失われてしまっているように見えるが、一定の瞑想状態(先天後天の合一した状態)に入ることができるということは成長してからも「嬰児」の状態は完全に失われたのではなく、いろいろな「欲」によって見失われただけと考える。そうであるから一定の修練を経れば「嬰児」の状態を回復することも可能となる。