第九十五話 立禅と馬歩トウ功(16)

第九十五話 立禅と馬歩トウ功(16)

そして現在、はじまりかけている「文」の時代に再び混元トウのようなものが出現しようとしているわけである。ちなみに形意拳の三体式は半身の構えで低く腰を落として練るものであり、これはまさに「勁」を開く優れた鍛錬法である。一方、三才式は混元トウにつらなっており、ただ立って手を前後に置くものとなる(三体式よりゆるやかに広く構える感じである)。興味深いことに姜容樵の写真にはこの構えをしているものが残されている。姜は対練でもこの構えをしているが、これは王キョウ斎と同様に混元トウから武術的な力(勁=天然の内功による)が得られると考えていた可能性をうかがわせる。ただ前後に足を開いて立っているだけの姿は、前足の膝を容易に折られるのではないかなどと危惧されないでもないが、そうした計らいを超えた動きが可能となると姜は考えていたのかもしれない。

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