道竅談 李涵虚(106)第十二章 薬のレベル

道竅談 李涵虚(106)第十二章 薬のレベル

こうした境地を得るには「ゆっくり動く」ということはひじょうな発明であったことが分かる。太極拳でゆっくり動けば足腰に負荷がかかるので体に「熱」が生じる。また静かに動くので心も鎮まることになる。套路も基本的には一つなので慣れれば形へのこだわりも少なくなる。始めは指導を受けることで「有(熱)」と「無(静)」の調節(火候という)をしなければならないが、数年も修行をすれば自分で調整が可能となる。太極拳の火候の調整は姿勢の高さでは「高架、中架、低架」があり、動きの大きさでは「大架、中架、小架」がある。また速さは「快架、中架、慢架」がある。これは今の状態を「中」として、時に姿勢を低くしてみたり、高くしてみたりして自分の火候を調整する方法を示すものである。また動きをやや大きくしたり、小さくしたり、また早くしたり、遅くしたりする。これは「機」によるべきである。天気が悪くて部屋で行う時は動きを小さくしてみるのも良かろう。こうして自分の県境の変化に応じて学ぶことが大切なのである。

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