道竅談 李涵虚(114)第十三章 内薬と外薬

道竅談 李涵虚(114)第十三章 内薬と外薬

〈本文〉

外薬と内薬の関係性には三つのレベルがある。始めは「外薬を取って内薬を制する」のであり、次は「内薬によって外薬を修する」こととなり、最後は「外薬を食して内薬と合わせる」のである。

〈補注〉ここで述べられていることは先の「無から有を出す」「有から無に入る」「無から有を産む」に対応している。

 

 

「外薬を取って内薬を制する」とは築基・煉己のことである。ここでは外薬を巡らせるが、これは小薬を煉るもので煉精化気の段階でもある。

〈補注〉築基は小周天のことである。始めの「外薬を取って内薬を制する」が成就するのは小周天の完成した時とする。またこれを小薬を得るということもある。行動を変えることで一定の内的な変化の得られた状態をいう。また西派ではこれを「煉己」ともする。煉己は自分自身が「本来の自分」を知って心身の変化を自覚することをいう。門派によっては「本来の自分」を知るという部分を重くみて最後の段階に「煉己」としていることもある。そもそも神仙道の修行は今の自分と「本来の自分」が等しいものではないことを前提としなければ始まらない。その意味では西派のように最初に「煉己」を設けるが、一方では「本来の自分」である「性」への悟りが得た段階を「煉己」とすれば、これは最後の段階ということにもなる。こうした違いは小薬と大薬でも等しくみられるが、厳密には区別をするべきではないと考えられている。

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