外伝10孫禄堂の「道芸」研究(8)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(8)

孫禄堂は形意拳、八卦拳を「柔」化、「静」化した。結果としてそれは「太極拳」化したということもできるであろう。そうした意味において孫家拳のベースは太極拳にあるとすることができる。孫が太極拳を解説した書は『太極拳学』であるが、この「学」は形意拳でも八卦拳でも同様に「形意拳学』『八卦拳学』として付されている。また個々の技にも単鞭学(太極拳)であるとか乾卦学(八卦拳)などとする。それは孫家拳においてはそれぞれの技に学ぶべき拳訣が割り振られているからである。そうであるからわざわざ個々の動作に「学」を付しているのであり、そうした拳訣を総合して学ばれるべき太極拳の理論をつまりは太極拳「学」とするわけである。これらは細かく見れば個々の技のそれぞれの技の拳訣であるが、それらは必ずしも一つの技に限ったものではなく、太極拳なら太極拳のどの動作にも基本的には共通して当てはまる教えでもある。


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