第六章 正座と四股と馬歩(15)

 第六章 正座と四股と馬歩(15)

足踏むの音に関しては四股でも金剛搗碓でも音を出した方が良いとされることもあれば、出さない方が良いとされることもある。これは八極拳でも劉雲樵の系統はかなり震脚を多用する。これは八極拳では入身の歩法の変化が少ないことを補うためで、震脚により一気に体勢を入れ替える。この時にもあえて地面を強く踏むと膝を傷めてしまうことがある。脚を踏んで音を出す、出さないの違いは、主眼とするところが脚を強く踏むことにあるのではなく、体を沈めることにあるためであろう。体が深く沈むようになると自ずから脚を踏み込んだ時にも大きな音が出るようになる。ただこの場合も本人は軽く踏んでいる。軽く踏んでも力強い音が発せられるようでなければ沈身の功が得られたとはいえないわけである。


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