第四章 合気道技法の「実戦性」とは何か(17)

 第四章 合気道技法の「実戦性」とは何か(17)

合気道の特色ある稽古法に多人数捕がある。これは次々と掛かって来る相手をさばいて行くものであるが、これこそが合気道の「実戦」の形なのではないかと思う。ただ相手をさばくだけが、合気道の究極の形なのではないであろうか。そう考えてみると植芝盛平からヒントを得た空手家の小西康裕が体捌きの形を考案している意味も理解できよう。「合気道の技はどうしたら掛けることができるのか」といった従来の攻撃を主体とする武術の考え方ではなく、防御をベースとするものとして捉えなければ、合気道技法の真義は理解されない。これは太極拳の推手も同様であろう。


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