外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(3)

 外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(3)

形意拳で「単換掌」が中心となるのは「硬」拳ということからしてひとつの理のあるところなのであるが、八卦掌をのみ練習する派では「硬」というより入身の歩法を練るものとして「単換掌」がベースとなったと考えられる。そうであるから換掌の時にいろいろな動きが加わることとなったのであろう。これは入身(走圏)を経て相手を制する動きにつながるためである。この時には「中段の構え」はそれを変化させないで相手に対するという意味ではなく、一般的な構えの域を出ているわけではない。つまり同じ八卦掌といっても八卦拳や形意拳の「硬」を核としたものもあれば、一般的な拳術と同じく基本としての中段の構えであるに過ぎない系統も存しているわけなのである。こうしたシステムにあっては従来からある七星歩や玉環歩のように相手に回り込む歩法を同じということになる。七星歩や玉環歩は少林拳ではひじょうに重視されていて、これを知らずしては実戦はできないといわれている。この秘訣の動きを中核として構成したのは「硬」を使う以外の八卦掌ということになる。

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